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さて、今日のスキーテクニックの話は
「ライン取り」
について書いてみようと思います。
目次
上から巻いて攻めれば完走はできるが、ポイントは取れないことが多い。どうすればタイムが出る?
アルペンスキー競技で誰もが悩んだことがある攻め方。
上から巻いて無難に攻めていくべきか、それともリスクを承知で攻めまくるか。
だいたいこの二通りに分かれるかと思います。
特に途中棄権が多いスキー大会はもちろん、難しいセットが立った場合などはなおさら安全なラインを選択する選手が多いです。もちろん、無難な
「上から巻いて滑っていく滑り」
でうまくいくこともありますが、完走者が多い場合はあまり意味のない戦略になり、タイム差も広がってFISポイントやSAJポイントも取れないといったことも起きます。
これはSAJ公認大会はもちろん、FISレース、国体、インターハイ、インカレ、全日本選手権などカテゴリーを超えて起きる問題とも言えます。
今回はその典型例がワールドカップでも見られたので、1つ紹介します。
アーデルボーデンGSにおけるクリストファーセンとメイラードの違い
私はツイッターで先ほどこう書きました。
スタート1番のクリストファーセンと3番のロイック・メイラードだったかな?この2人を比較すると対照的で、メイラードは綺麗な上から巻く無難なライン取り。クリストファーセンは失敗しまくり。けど、クリストファーセンが1本目で1秒以上差をつけた。無難な選択をして失敗したよくある典型例。
— スキーショップ.jp/速報/上達方法/スキー用品販売店最新情報 他 (@skishopjp) 2019年1月17日
アーデルボーデンは起伏が激しく、ウネリの連続。また片斜面もあり、非常に難しいセットまで立ちます。そのためここのGSで結果を出した日本人選手は記憶にないくらい(たぶん誰も2本目に進んでいないはず)、日本人から見たらハイレベルなスキー場と言えます。
そんなアーデルボーデン2019男子GS1本目。
1番スタートのクリストファーセンは攻めまくって、たくさん失敗したのですが、終わってみれば2位。一方、3番スタートのスイスのロイック・メイラード(だったと思う。間違ってたらあとで修正します。)は、インスペクションで多くの選手が失敗するセットと読んだのか、無難なライン取りを選択。いわゆる
「上から攻めていくライン取り」
になっており、一見綺麗な滑りに見えます。失敗も少なかったですが、最大の失敗は
「タイムが全く出ない」
という状況になり、結果トップのヒルシャーから3.84差、1本目だけでクリストファーセンに1秒以上離される結果となり、1番と3番というゼッケンの違いだけでここまで差がついたわけです。
クリストファーセンも1本目は珍しく失敗が多い滑りとなりましたが、最後の急斜面に入る時のアンダーゲードも「みんな落とされる」と読んだのか、とにかく攻めまくってました。
また、上位選手は皆失敗だらけで攻めてきた選手が多く、逆に難関コースを無難に攻めた選手はタイムが出なかった典型レースではないかと思います。
こういった経験はアルペンスキー選手をやっていれば誰もが経験することだと思います。
んじゃ、どうすればいいの?
という話になるわけですが、結論を言えば
「全部のレース攻めるしかない」
というわけです。
そして普段の練習で
「ポールからなるべく抜けないようにして、フルワンピースでどんな悪天候でも毎日最低1回はフルアタックする習慣をつける」
しかないわけです。
レースと全く同じ環境にして、その中でリカバリー能力を高めていかないと、体が反応しないのです。
もちろん、夏場の陸上トレーニングからいろんな筋肉を鍛えてバランス能力を上げていくのは当然で、冬場はコンディショントレーニングで補いつつ、雪上でひたすらリカバリー能力を磨くには、レースと同じ状況で練習するしかないわけです。
できれば1日1回はタイムレースをして、失敗してもそこまでタイム差が開かないケース、開くケースを自分で学習するしかないわけです。もしタイムレースができないのであれば何試合かカテゴリー下でテストレースとして、やってみるのも良いでしょう。
だいたいFISレースをやってる場所は下部カテゴリーもあるので、W杯選手がヨーロッパカップに出るような感覚で試合数で試すのも1つの方法です。
というわけで、攻めないと結果はまず出ないので、攻めている中で完走率の高い滑りを追求してほしいなと思います。少なくともヒルシャーやクリストファーセンなど上位選手がそれができるので、守ってはまず上にはいけないことを覚えておいてほしいなと思います。
追伸2:ツイッターではW杯中継からそのまま技術的なことを呟くことがあるので、気になる人はフォローしておくと良いかもです。ほとんど録画で見てますけど(笑)
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