*26日に書いた記事を再編集してます。朝日新聞が消滅の可能性を出してきたので、記事最後に追記してあります。
目次
オリンピックは税金でやれない時代。
先日、冬季オリンピックの花形種目の1つであるノルディック複合(スキーコンバインド)が正式種目から外れる可能性があるとのニュースが話題になりました。
このニュースを受け、1994年リレハンメルオリンピック金メダリストである荻原健司長野市長がコメントを発表したり、渡部暁斗選手が署名運動を行ってましたが、今後は署名だけでは生き残れないかもしれません。
署名活動のURL:https://twitter.com/WTBAKT/status/1537727148135698433
日経新聞の報道が正しいのであればノルディック複合はジェンダー問題関係なく、再び正式種目から外れる可能性があります。
ツイッター上で私はこうつぶやきましたが、これはノルディック複合だけの話ではないです。
ボブスレーやリュージュ、スキー、スケート競技など様々な競技団体にも言える話です。
視聴率のないオリンピックはスポンサーもいなくなる。
マクドナルドのスポンサー撤退はいろいろ言われてますが、1つ言えるのは視聴率低迷という言葉が出てきます。
上記の記事ではインテルをIOCが取り、人気復活を考えているとの話になってますが、そもそもオリンピックというコンテンツ、もっと深く言えばスポーツ自体のコンテンツ価値も二極化しており、
プロは伸びるけど、アマチュアは競技人口が増えない
のはほぼ確定です。
バスケットボールも日本国内でいろいろありましたが、プロ化の方向ですし、そもそもスポーツ競技自体に価値を持たせないと
「日本一になってもただの自己満足大会」
で終わります。
今のオリンピックは貴族文化が強く根付いており、選手のウェア広告が禁止されるなどのルールがあります。
1925年には国際オリンピック委員会(IOC)の規定には
「アマチュアリズムでなくてはいけない」
と書かれてましたが、これが後に削除されています。しかし、貴族思考はその後も続きます。
参照:https://kyutech.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=2176&item_no=1&page_id=13&block_id=21
1972年札幌オリンピックのアルペン種目ではスキー板をゴールエリアで掲げただけで
「商業行為」
とみなされる時代もあり、カール・シュランツ(オーストリア)はメーカーと提携したというだけで、札幌入りした後に出場停止処分を受けるなど社会問題になりました。
アマチュアリズムという言葉は一見綺麗に聞こえますが、要は
「スポーツは貴族のもの。庶民が上がってきては困るので広告禁止」
という解釈は間違っているかもしれませんが、今もその名残が選手のウェアに表れているのではないかと思います。
スポンサー契約禁止とかにすれば、お金のある選手しか出れない大会になりますからね。
プロ化に反対するのはお金を持っている人ではないかと個人的に思ってます。(あくまでも個人的推測です)
アルペンスキーはプロ化反対運動のような動きが始まっている。
一方、ノルディック複合から少しずれてますが、IOCの動きもあってかアルペンスキー業界にも変化が出てきています。
要は
「改革」
が始まったわけですが、来季からW杯スケジュールが大きく変わってきます。
ですが、この改革に反対してるのがオーストリア、スイス、ドイツ、クロアチアの4カ国です。
従来はワールドカップという名前なのにヨーロッパ中心で行われていましたが、スキーメーカーのヘッド元CEOが国際スキースノーボード連盟(FIS)会長に就任してから改革が始まりました。
しかし、その後4カ国からの反発を受け、現在スポーツ仲裁裁判所(CAS)が入るなど問題になってます。
話を戻しますが、どのスポーツ競技団体にしろ
「プロ化されると困る人が大勢いる」
ということです。
ですが、IOCが人気度を競技別で見ている以上、採算の合わない競技は今後減らしていき、オリンピックを運営して儲かる組織にしていくのは個人的に正しいと思っています。そうでないと
- 立候補地が出ない
- スポンサーが離れる
- 税金を使うと国民から支持されなくなる
ということが起きてきてイメージが悪くなり、結果的にオリンピックへの理解も下がっていき視聴率も減るという悪循環になります。
できれば個人的には完全民営化、つまりサッカーW杯のように世界中の人が「見たいと思うコンテンツ」にしてほしいと考えます。
税金はもっと困っている人に使うべきであり、お金と時間があり、五体満足であるアスリートや競技団体は自分たちで価値を高める努力をすべきと考えます。
スポーツはどこまで行っても遊びです。
英語でもSPORTは暇つぶしとか娯楽という意味が含まれています。
生きる希望が湧くという点では社会貢献になりますが、限られた税金は国がもっと豊かになることに使うべきでしょう。
ジャンプ台がなくても、ソリ競技場やスキー場がなくても人は生きていけます。
スポーツは贅沢なのです。
運動は生活習慣病リスクを減らす効果があり、健康に不可欠ですが、生きていくのに絶対必要のない競技スポーツにどう価値をつけていくべきか。
それを各スポーツ団体が考えないと、団体や競技の存続はもちろん、結果的にオリンピックの継続自体が厳しいものになるのです。
今回はノルディック複合だけがフォーカスされましたが、スキー複合以外にも採算の合わない競技は正式種目から外れる可能性は今後出てくる可能性があるので、競技人口や人気、選手の収入をどう増やすかを各競技団体は真剣に考えるべきでしょう。
補足:ちなみに冬季五輪は不良債権を生み、お金もかかり、立候補地が出ないので夏季五輪と合体するような話も過去にありました。元々1988年までオリンピックは同じ年に夏と冬にやってましたし、卓球やバスケットボールなどの室内競技を冬季五輪に持っていくなんて話もありました。それだけ冬季五輪の価値が下がってるのです。特に冬季五輪は貴族スポーツが多いので、お金も時間もかかり、場所も選ぶスポーツばかりです。
追加報道:2030年冬季五輪でノルディック複合消えるかもという記事
26日に上記の記事を書き、朝日新聞もスキーコンバインド消滅の記事続報で出してましたので、27日朝にツイートして紹介しておきました。
詳しい内容は下記の朝日新聞さんの記事をご覧ください。
個人的には結局「お金」のような気もします。あえて名前は出しませんが、他にも人気のない種目はあるでしょうし、オリンピックをサッカーW杯並みに盛り上がるイベントにするには、今までの価値観にメスを入れる可能性があります。
人気種目でまとめていく可能性も十分あるでしょうね。
税金でやるオリンピックはそもそも立候補が出なく、種目は増えてるのに五輪自体は人気が落ちてきています。結論、これからの少子化時代、プロ化するスポーツ団体は人口が増え、貴族思考の競技団体は人口も減っていき細々とやっていくしかないでしょう。たぶん。