アルペンスキー競技はいきなり第1シードで滑らせてくれるスポーツではありません。下手な人ほど荒れたコンディションから滑らないといけないという初心者にはまったく優しくないスポーツであります。
ですが、どんな上手い選手でも荒れたコンディションからスタートしました。今や世界一となったマルセル・ヒルシャーも14歳の頃は皆さんと同じ道を歩んでおり、皆さんと同じか、もっとひどいゼッケンを付けて滑っていたわけです。
*14歳の頃のマルセル・ヒルシャーの動画
今日はそんなゼッケンが後ろの人のための練習についてちょっと書いてみたいと思います。
目次
なぜFIS(国際スキー連盟)は下手な人ほど後ろを滑るルールにしたのか?
この理由を現在探してるので正確にはわからないのですが、おそらく
「スキーの基本技術を身につけると自然と誰でも第1シードに来れる」
という意図もあるのではないかと思われます。
なぜならアルペンスキー上達方法の教科書〜約1ヶ月でGS1本目73番から9位になった練習方法〜でも解説している通り、アルペンスキーの最も基礎となる部分を習得してから順位が一気に上がっていったので、現在のFISのルールはある意味で計算された設計になっていると考えています。
もちろん、W杯になるとテレビ中継がありますので放映権収入を考えたルールになり、スター選手を多く生み出す15リバースルール、全体的に平均化させ優勝者を増やすルールとなった現在の30リバースルールなど数十年に1度大きなルール改正があるのも事実です。このルールに変更後アメリカと日本勢の成績が伸び、中国を見据えたアジアと北米のマーケットを狙った可能性もあります。
だいたい20年〜30年に1回はスタート順を変えるルールが時代に合わせて変更されるので、もし次にあるとすれば2014年頃にヨーロッパカップでテストされ、全日本ナショナルスキーチームも参戦した3本制ルールになるのが濃厚でしょう。このルールはものすごくタイム差がなくなるというルールであり、20秒〜30秒ほどでゴールするルールになります。もし適用されればトレーニング方法も瞬発系の量を増やすことになっていくと思われます。
ネット動画の時代であり、今後ダウンロードという概念がなくなる5G回線時代を見据えた放送のあり方を国際スキー連盟は考えているでしょうから、スマホやテレビが不要になるフォログラフィー放送の時代に合わせたコンテンツになっていくと思われます。(例:スマホ視聴者が多いならば短い動画、壁などに照らすブラウザ時代なら従来通りJ-SPORTS放送継続と思われる)
テレビやレコーダーはもうすぐ不要になりますね。昔、ビルゲイツが最後はブラウザしか残らないと言ってたっけ。 https://t.co/YTw89HHgIU
— hide (@code369seoski) 2018年12月10日
ただ、ルールが変わるのは今後も上位30人の選手くらいです。
それより後ろの選手は今まで通り荒れたバーンで滑ることに変わりがないと思うので、基本技術を早く身につけてどんな悪条件でも上位を狙える練習をしないと良い成績はいつまで経っても出ないでしょう。
では、どういった練習をすべきなのか。次にそれを解説していきます。