今回のスキー上達方法とコツは上級者の急斜面の滑り方について解説します。前回の「なぜスキーは暴走するのか?原因と解決方法、急斜面の滑り方を解説」の続きとなります。いわゆる「暴走するスキー」ではなく、スピードコントロールをするアルペン選手が使うテクニックを説明します。
アルペンや基礎など「スキーの基本技術」についてはこちらの1ページに書いてます→スキー上達方法とコツ。初心者から検定受ける上級者、アルペン選手のレベル別練習のやり方
現代のスキーテクニックには大きく2つの要素に分かれます。
- カービングスキー:テールをズラさず、線路のレールのように1本の線を描いて滑るスキーテクニック(下記動画参照)
- ズラすスキーテクニック:いわゆる「基礎スキー」という業界が使う技術。アルペン競技でも稀に使う。
スキー検定で言うと1番は1級の大回りから登場し、2番は1級の小回り、そして2級、3級で使います。
また、最近はカービングにこだわる人も多く、実は技術の引き出しがないスキーヤーが多いケースも見受けられ、アイスバーンになるとエッジtoエッジ(滑走面を雪面に触れさせず、エッジだけでターンする技術)で滑れない人も日本には多い印象を受けます。
この本にも上級者編のページに「カービングにこだわりすぎる」ということが書かれてますが、スキーは自然相手に滑るスポーツですので、技術の引き出しがあるに越したことはありません。
目次
あなたはこういった急斜面滑り降りれますか?
現に先日アルペンスキーW杯男子大回転バルディゼールではこんなガリガリのアイスバーンで完走できない選手が沢山出ました。
バルディゼールの斜面は世界1、2位を争うくらいの難しい大回転コースですが、海外のレースではこれが標準です。加藤選手はクルッと回ってしまってますが、こういった状況では
「内側の肩は絶対下げてはいけない」
のです。(転倒した選手の肩のラインだけを見るとよくわかります)
セットが難しすぎるので正直難しい部分もあるのですが、やっぱり本当に上手いスキーヤーはこういった斜面でもきちんと結果を出します。
私もサンモリッツの頂上から滑った時、「誰も滑ってる人がいないなー」と思ってゲレンデに出たら
「ゲレンデが青く氷の斜面」
でしたが、エッジ立ててポジションがセンター(金具の位置)にあれば普通に滑れるので、1人もいない斜面を滑った経験があります。(気温も山頂マイナス32度、標高3000m超えでした)
日本のアルペンの大会でも完走者が30人ほどという時がありますが、「エッジで切っていく滑り」ができない人は滑ることもできないので、カービングばかりで滑ってる人は尚更滑ることができないかと思います。
ポジショントークするわけではないですが、アルペンスキー選手がモーグルや基礎スキー、フリースタイル種目で活躍する理由は
「本当の基礎はアルペンにある」
からではないかと思います。
なぜかは夏にアップしたこの動画で全部説明してるので、詳しくはこちらをご覧ください。
柔らかい雪の日もあれば、大会では水を撒いて氷にしたりするので、どんな状況でもアルペン選手はこなすことができてしまいます。
短いエッジングでスキーをたわませ、暴走せず、ターン後半加速させるには?
あまりにもカービングにこだわる人が多いので、前置きが長くなってしまいましたが、ここから
- 短いエッジングで
- 板をたわませ
- 急斜面で暴走せず、
- ターン後半を加速させるには?
について解説します。
実はこれもYouTube動画でアップ済みです。
ただ、これはあくまでも
「ターン後半の加速」
に特化した解説です。
では、
「暴走しないスピードコントロールされた急斜面における小回り」
とはどんな滑り方なのか。
色々な滑り方があるとは思いますが、個人的に文章化して解説してみたいと思います。
写真と図で説明するとこんな感じです。