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アルペンスキーGS競技において緩斜面は上下動のクローチングを使った方が速かった。

さて、3日連続で今回も

「アルペンスキーのGS競技において緩斜面でクローチングをする際に上下の動きを使う選手、使わない選手どっちが速い?」

という研究の続きの話をしたいと思います。

よくある指導の1つに

「頭を動かすな。上に力が抜ける。」

というものがありますが、緩斜面においては必ずしも速いとは言えません。私の経験談を書いているアルペンスキー上達方法の教科書〜約1ヶ月でGS1本目73番から9位になった練習方法〜でも緩斜面(セットによっては中斜面含む)において上下動を推奨しています。(急斜面は頭を動かすとターンが遅れます。)

今回の記事ではワールドカップのゾルデンGSにて数字で出ているので、これを紹介します。

アルペンスキーのGSにおいて緩斜面でのクローチングは上下運動があった方が速かった


まだデータ不足ですが、ゾルデン2019男子GSの25番までの選手に関してはこんな感じになりました。

まず上下動をする人の割合は上記の通り、

上下運動をする:64.7%
上下運動をしない:35.3%

という結果になりました。

急斜面でかなりスピードが出てしまって、あえてしないとか、たまたま今回のゾルデンでインスペクション時に、上下動をしないという選択をした選手もいたかと思いますが、タイムや実際に実行に移した選手の割合を考えても

「スキー板をたわませて、雪面からの反発エネルギーを少しでも推進力を得るために自ら上半身を動かして、緩斜面を滑らせた」

という戦略を取った人の方が割合的に多かったということになりました。なお、有料版であるアルペンスキー上達方法の教科書〜約1ヶ月でGS1本目73番から9位になった練習方法〜ではさらに詳しいデータなどを掲載していこうと思うので、全選手の情報がまとまり次第アップデートします。

どのように統計を取ったか?急斜面で失速し、緩斜面で伸びた選手をピックアップした。


photo credit: _dChris Skiweltcupopening 2013 in Sölden via photopin (license)

下記の統計はまだ表などで完成させていないのですが、とりあえずデータは出せました。

今回の研究テーマはあくまでも

「緩斜面における上下運動は効果があるのかないのか?」

ということですので、より正確に調べるため

「急斜面でうまくいって、そのまま緩斜面でスピードに乗った選手を排除」

しています。

具体的には第1チェックポイントから第2チェックポイントを46秒台で滑って1分7秒台でゴールしてきた選手は除外しています。この46秒台の選手が急斜面が速かった上位選手となるので、46秒台から1分7秒でゴールする選手は全体がミスが少なく速い選手ということがわかります。

今回はそうではなく、

「急斜面でスピードに乗れなかったけど、緩斜面で加速して1分7秒台を出した選手」

つまり、第1から第2チェックポイントの急斜面を少し遅れた47秒台で滑り、かつ46秒台で急斜面を滑った選手と同じ1分7秒台を出した選手を赤と青に塗っています。赤は上下動をした人、青はメイラードだけですが、上下動を使わない人となっています。

2019ゾルデン男子大回転1本目で緩斜面が速かった選手ランキング

*左から選手名/第1チェックポイント/第2チェックポイント/1本目ゴールタイム/第2チェックポイントからゴールまでのタイム/上下するかしないか
マルコ・オーデルマット 18.83 47.1 1.07.43 20:33 する
ロイック・メイラード 18.8 47.37 1.07.79 20.42 しない
マチューフェーブル 18.74 46.69 1.07.12 20.43 する
マニュエル・フェラー 18.76 47.3 1.07.78 20.48 する
ジャスティン ムリジエ 19.05 48 1.08.52 20.52 しない
ウィングスタッド 18.92 47.73 1.08.29 20.56 しない
クリストファーセン 18.80 47.7 1.07.70 20.54 する
リゲティ 18.8 47.46 1.08.03 20.57 する
パンチュロー 18.46 46.44 1.07.10 20.66 しない
マッツオルソン 18.7 46.89 1.07.57 20.68 する
トミーフォード 18.84 47.14 1.07.90 20.76 する
トーマス・サムラー 47.62 1.08.42 20.8 しない
クラニエッツ 18.79 46.59 1.07.44 20.85 しない
ルカ 18.92 47.53 1.08.39 20.86 する
アレクサンダーシュミット 47.28 1.08.21 20.93 しない
エリックリード 18.46 46.57 1.07.55 20.98 する
ノーガー・セドリック 18.97 47.88 1.08.87 20.99 しない
シュテファン・ルイッツ 18.79 47.16 1.08.17 21.01 する
ハウゲン 18.76 47.33 1.08.38 21.05 する
マンフレッド・メルグ 18.65 47.35 1.08.43 21.08 しない
ジノ 18.82 47.51 1.08.60 21.09 する
ビクトル 18.83 47.78 1.08.89 21.11 しない
トレバー・フィリップス 18.57 48.15 1.09.29 21.14 する
リカルドトネッティ 19.14 48.41 1.09.99 21.58 する

*順番は急斜面の終わりの第2チェックポイントからゴールまで、つまり緩斜面が速かった順番に並んでます。

ただ、この統計は1つ問題があり、

「少しでも上下動した人も「する」にしてある」

という点です。

テッド・リゲティなどは急斜面の終わりから少しだけクローチングで上下運動を使っており、多くの上下運動をした選手がリゲティ型でした。しかし特にフェラー、トミーフォード、マルコ・オーデルマットの3人はかなり上下運動していたので、後半の緩斜面の滑らし方がかなりうまかったのは間違いのない事実でしょう。実際にランキングを見ても25人中上位に入っています。

ワックスの影響もあるかと思いますが、上半身の使い方が明らかに違うので、3名の動きはかなり参考になるかと思います。まだゾルデンの再放送はJ-SPORTSでやっているので、見ていない人は録画して何度も見てみましょう。

アルペンスキー上達方法の教科書〜約1ヶ月でGS1本目73番から9位になった練習方法〜でも私が上下運動してクローチングをして上位に食い込んだ話を書いてますが、具体的な練習方法などもこちらに掲載しているので、気になる人はチェックしてみてください。(有料記事です)

なお、今後もスキーショップ.jpでは様々な斜面別データを集めて、より質が高く、精度の高い情報提供ができればと考えています。新着情報を見たい人は下記のSNSやスマホ画面表示(プッシュ通知)などで登録をしておいてください。

P.S.まだ過去記事を見ていない人は2つの記事があるのでこちらも合わせてご覧ください。

アルペンスキーGSにおける緩斜面での上下運動あり・なしどっちが速い?

緩斜面は上下動で0.2秒以上縮まる。ゾルデンW杯におけるマニュエル・フェラーのGSスキーテクニック

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